小島章司フラメンコ2009
ラ・セレスティーナ ～三人のパブロ～
La Celestina

　15世紀スペイン古典文学の傑作『ラ・セレスティーナ』。戯曲形式で書かれたこの小説はピカソを魅了ました。〈青の時代〉の代表作の一つ「セレスティーナ」のほか、小説の場面を描いた版画も数多く遺しました。ピカソは1973年に他界。同年、チェロ奏者パウ・カザルス、南米チリの詩人パブロ・ネルーダも逝去。〈三人のパブロ〉は奇しくも同じ1973年にこの世を去りました。

　この年、小島章司はセビーリャ城（アルカサル）で当時の皇太子・皇太子妃両殿下（現天皇皇后両陛下）とスペイン国皇太子・皇太子妃両殿下（現国王ご夫妻）に御前舞踊を披露しました。

　芸術の巨人が相次いで鬼籍に入った1973年。小島の進むべき道を照らしてくれた1973年――。悲喜劇『ラ・セレスティーナ』の世界をピカソの絵、カザルスの音楽、ネルーダの詩をちりばめて描きつつ、小島の人生において画期的だった年にオマージュを捧げます。