観客総立ちでのスタンディングオベーションを、舞台の中心に立ち、受けているのは小島章司。スペイン独特の、三拍子での手拍子が続く。
2009年11月東京で初演された作品「ラ・セレスティーナ」が、フラメンコの生れ故郷、スペイン、ヘレスのフェスティバルでこれほどまでの評判をとろうとは誰が予想したことだろう。
世界で唯一のフラメンコ舞踊とスペイン舞踊のフェスティバル、ヘレス・フェスティバル。その15年の歴史において初の、スペイン以外からの国の舞踊団によるビジャマルタ劇場公演。ヘレスのオペラハウスが感動にふるえた。スペイン古典文学「ラ・セレスティーナ」が、チクエロの音楽とハビエル・ラトーレの振り付けでみごとなフラメンコ作品へと姿を変えた。小島のアイデアで、彼がスペインを訪問した皇太子ご夫妻の前で踊った1973年に亡くなった3人のパブロ、バブロ・ピカソ、パブロ・ネルーダ、パブロ・カサルスへのオマージュとしてピカソによるセレスティーナのイメージや、ネルーダの詩、カサルスのチェロで有名になった「鳥の歌」などを取り入れたことが、この作品によりいっそうの深みを与えている。堀越千秋による印象的なオブジェ、美しく効果的な照明や、洗練された衣装に支えられ、みごとな舞台作品として仕上がった小島の「ラ・セレスティーナ ~三人のパブロ~」はスペインの批評家たちにも絶賛された。
「劇場フラメンコ舞踊の、これぞまさしく本物のスペクタクルである。」(ディアリオ・デ・ヘレス紙 フランチスコ・サンチェス・ムヒカ
「舞台芸術をもたらした小島の、文句のつけようがない大成功である。」(エル・ムンド紙 マヌエル・マルティン)
「七十歳を過ぎた小島の両性具有的な演技は、ちょうど同じ時期にハリウッドで開催されていた米アカデミー賞のオスカー像に値するものだった。」(ウェブ:deflamenco.com エステラ・サタニア)
「2011年フェスティバル・デ・ヘレスの観客をわしづかみにした。」(ウェブ:flamenco-world.com シルビア・カラード)
「巨星小島章司による美的澄明と練りに練った演技がフェルナンド・デ・ローハスの原作に命を吹き込むという偉業を達成した。」(ウェブ: flamenco en vivo ハビエル・プリエト)
このスペインでの好評を受け、「ラ・セレスティーナ」が東京に凱旋する。
百年にならんとする日本のフラメンコの歴史に残る、この名作を、本場スペインでも高い評価を得たこの作品を、見逃しては一生の不覚だろう。
文:志風恭子(フラメンコジャーナリスト)
日時 | 2011年12月2日(金) 7:00PM |
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2011年12月3日(土) 3:00PM/7:00PM | |
2009年12月4日(日) 3:00PM | |
会場 | ル テアトル銀座 |
料金 | (全席指定・プログラム付) S席: 10,000円/A席: 8,000円/ボックス席(2名) 20,000円 |
バイレ | 小島章司 クリスティアン・ロサーノ エスメラルダ・マンサーナス・サンチェス アントニオ・ベントゥーラ〈キコ〉 パブロ・フライレ ウゴ・ロペス 〈小島章司フラメンコ舞踊団〉 岡野千春/前田可奈子/柳谷歩美 関晴光/松田知也 鎌田里代/木内恵津子/木下環/齋藤洋子 筋野純子/畑もえ祈/大林綾子/久保田晴菜 竹内純子/今泉美恵子/黒川朋子/山形志穂 |
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カンテ | エル・ロンドロ/ヘスス・メンデス/モニカ・ナバーロ・ゴメス |
ギター | チクエロ/サルバ・デ・マリア |
ヴァイオリン | オルビード・ランサ |
チェロ | ジョルディ・クラレット・アレグレ |
パーカッション | ペドロ・マヌエル・ナバーロ・グリマルディ |
原案 | 小島章司 |
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演出・振付 | ハビエル・ラトーレ |
音楽監督 | チクエロ |
美術 | 堀越千秋 |
バレエマスター | クリスティアン・ロサーノ |
ダンスミストレス | 岡野千春/前田可奈子/柳谷歩美 |
衣裳 | 山田尚希 〔エイム〕/立川広子 〔ナジャハウス〕 |
照明 | 大島祐夫 〔A・S・G〕 |
音響 | 田中賢 〔サウンドクラフト ライブデザイン〕 |
舞台監督 | 舛田勝敏 〔ダイ・レクト〕 |
仮面 | 正法地美子 |
ヘアメイク | 佐々木純子 |
宣伝美術 | 宇野亜喜良 |
宣伝写真 | 山廣康夫 |
翻訳・制作協力 | 古屋雄一郎/志風恭子 |
企画・制作 | 株式会社エストゥディオ コジマ |
お申し込み | 小島章司公演事務局 Tel. 03-3498-0923/Fax. 03-3498-5442 |
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交通アクセス | ル テアトル銀座のアクセスマップをご覧下さい |